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多様性と一言で言うけど、どんなものがあるのだろう

多様性(ダイバーシティ)は、単に性の多様性だけでなく、さまざまな属性や特徴における違いを認識し、尊重することを意味します。性の多様性(ジェンダーアイデンティティや性的指向など)は重要な要素の一つですが、それ以外にも多くの側面があります。以下は、多様性のさまざまな側面を示す例です:

1. 人種と民族的多様性

  • 人種や民族の違いを認識し、異なる文化、習慣、価値観、言語を尊重すること。
  • 例:アフリカ系アメリカ人、アジア系、ラテン系などの異なる人種的・民族的背景を持つ人々が共存し、それぞれの文化的慣習や歴史を理解しようとすること。

2. 文化的多様性

  • 異なる文化的背景を持つ人々の価値観や生活様式を尊重すること。
  • 例:宗教、食文化、伝統、ライフスタイルの違いを理解し、異文化交流を推進すること。

3. 言語的多様性

  • 異なる言語を話す人々の存在を認め、彼らのコミュニケーション手段を尊重すること。
  • 例:多言語環境の構築、複数の言語での情報提供、バイリンガル教育の推進。

4. 宗教的多様性

  • 異なる宗教的信仰や宗教的慣習を持つ人々を尊重し、その信仰の自由を保証すること。
  • 例:キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、ユダヤ教などの異なる宗教の信者が共存する社会を目指すこと。

5. 身体的・精神的能力の多様性

  • 異なる身体的または精神的な能力を持つ人々を包括し、そのニーズに応じた環境を提供すること。
  • 例:障がい者のためのアクセシビリティの向上、精神的な健康のサポート、異なる学習スタイルを尊重する教育アプローチ。

6. 年齢の多様性

  • 異なる年齢層の人々の経験や視点を尊重し、全世代が参加できる社会を作ること。
  • 例:若者、ミドルエイジ、高齢者それぞれが持つ知識やスキルを活用し、世代間の対話を促進する。

7. 経済的・社会的背景の多様性

  • 経済的な地位や社会的な背景の違いを認識し、すべての人が平等に機会を得られるようにすること。
  • 例:低所得者や移民、ホームレスの人々を支援し、社会的な不平等を是正する取り組み。

8. 教育的・職業的多様性

  • 異なる教育背景や職業経験を持つ人々の多様性を尊重し、様々な視点やスキルを活用すること。
  • 例:学歴や職業経験の異なる人々が共に働き、多様な視点から問題解決に取り組む環境を整える。

9. 思考や意見の多様性

  • 異なる考え方や意見を尊重し、多様な視点から議論や決定を行うこと。
  • 例:政治的信条や価値観、個人的な信念の違いを尊重し、オープンな対話を促進する。

10. ライフスタイルの多様性

  • 異なるライフスタイルや生き方を尊重し、それぞれの選択を支援すること。
  • 例:都市生活者と地方生活者、ベジタリアンと肉食主義者、シングルと家族持ちなど、さまざまなライフスタイルを理解し、尊重する。

10. 性の多様性

  • 性的志向や性自認が多様であることを、お互いに尊重すること。
  • 例:同性愛者や、トランスジェンダーの存在をない物にせず、理解して尊重する。

これらの多様性の側面を理解し尊重することは、より包括的で公正な社会を築くための基本的な要素です。それぞれの個人やグループの違いを認めることは、共感や協力を促進し、平和で調和の取れた社会を目指すための重要なステップです。

性の多様性を、LGBTQ+から離れて、SOGIESCで考える

LGBTQ+とは、セクシャルマイノリティが連帯するための言葉です。性的指向や性自認の一部を取り出して、自分のアイデンティティを伝え、連帯するための言葉としては便利ですが、それだけでは語れない人がいるのも最後に+がついてることでわかると思います。そのため、正しく自分のセクシャリティを理解してもらうには後述するSOGIESCを使う事が増えてきました。一言で伝えにるには冗長ですが、繊細なところまで理解してもらうには最適な方法としてLGBTQ+からSOGIESCのほうが理解しやすいです。

LGBTQ+(LGBTQIA+)とは

代表的なセクシャルマイノリティの頭文字をとって表したものです。

  • L:レズビアン 女性同性愛者
  • G:ゲイ 男性同性愛者
  • B:バイセクシャル 両性愛者(男女ともスキになる人)
  • T:トランスジェンダー 生まれ時の体の性別と、自己のアイデンティティとしての性別が一致しない人
  • Q:クゥア、クエスチョニング LGBTの枠に収まらない人、まだわからない人
  • I:インターセックス:身体的性別が男性・女性の中間もしくはどちらとも一致しない人
  • A:アセクシャル:性愛感情をもたない人(恋愛感情も持たない場合はアロマンティック)
  • +:プラス LGBTQ以外のセクシャリティ アライ、パンセクシャル、アセクシャルなど

SOGIESCとは

SOGIESCとは、性の分類の頭文字をとって合成した言葉です。性の分類には以下の様なモノがあります

性的指向:Sexual Orientation:どの性をスキになるか(恋愛、性愛)(身体的に、自認的に)

性自認:Gender Identity:自分をどの性だと認識しているか、性同一性(性のアイデンティティ)ともいう

性表現:Gender Expression:社会に対して表現する性、服装、言葉遣い、しぐさなど、社会的性別ともいう

身体的性別:Sexual Characteristics:出生時に外性器の形状で割り当てられた性別 間違えることもある

SOGIESCではないもの

性的嗜好:Sexual Preference:性的な行動の対象や目的に関する好みの傾向

性他認:Gender Dysphoria:その人の性別を周囲の人がどのような性別として認識しているかということ、もしくは周囲の人が認識している性別のこと。

性的役割:Gender Roll:社会や文化のありようによって身につけていく役割。社会のなかで,果たすことを期待されるふるまい,表情、権利,義務など。

SOGIESCに分類されるものは、個人の特性を表す人権に関する問題ですが、分類されないものは人権とはことなります。

SOGIESCは、当初、男女の1軸の中に自分はどちらに近いのかをマッピングして表現するものでしたが、たとえば性的指向がない人(アロマンティック、アセクシャル)、性自認が無性だったり不定性だったりする人(ノンバイナリー、Xジェンダーの無性、不定性)と言う人もいるので、いまでは多面的に考えるのが主流です。

SOGIESCの概念図

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