性の自己決定権について

性に関することは、すべて自分で決められる権利があります。それはあなたがもつ基本的人権の1つだからです。誰を愛し合い、誰を拒否するか、産むか、産まないかは、すべてあなたが決定して良いことなのです。それは性行為だけではなく、触れる触れない、見せる見せないという段階から始まります。

性的同意

性的同意は、すべての参加者が自発的かつ合意の上で性的な活動に参加することを指します。ただし、発達段階において十分な理解力がない可能性があります。そのため、性的同意について話す際は、年齢に適したかたちで行う必要があります。以下は、例として、12歳の子どもにわかりやすく性的同意について説明するための一般的なアプローチと具体例です。

性的同意は性行為そのものだけではなく、頭に触れること、肩を抱くこと、ハグをすること、キスをすることなど、特に相手のプライベートパーツやその近辺に触れるとき、そして自分のプライベートパーツを見せること自体にも性的同意が必要であることを認識しましょう。

  1. 同意の大切さの説明: 性的同意は、相手が同意しているかどうかを尊重し、相手が心地よく感じることが重要です。これは互いの尊重や安全性を守るために必要なことです。
  2. 断る権利: 自分が何かをしたくないと感じた場合、はっきりと断ることができる権利があることを理解しましょう。他の人が何かを提案しても、強制されることはないと理解させましょう。もし行為の途中で嫌になったらその段階で断ることも構いません。
  3. 具体的な例:
    • “もし、誰かがキスをしようとしてきたら、その前に相手に声をかけてみて。相手が返事をして、あなたもその気になったら、キスをしてもいいんだよ。でも、嫌だと感じたら、はっきりと断ってもいいんだよ。”
    • “友達と一緒に遊んでいて、その友達が触れてほしくない場所に触れてきたら、それは気持ち悪いと感じることがあるかもしれないね。そんなときは、はっきりと断ってもいいんだよ。”
    • “インターネットで何か見ていて、気に入らない画像や言葉があれば、それを見るのをやめる権利があるよ。”
  4. 相手の気持ちを尊重:
    • “大切なのは、相手の気持ちを理解し尊重すること。相手が『いいよ』と言っても、自分や相手が不快に感じないように気を付けることが大切なんだよ。”

重要なのは、自分の気持ちや権利を尊重すること、そして相手の気持ちも尊重することがなぜ重要なのかを理解させることです。

よくある失敗

  • 1人暮らしの家に入れてくれたんだから、プレゼントを受け取ってくれたんだからということと、性的同意は関係ない
  • 嫌よ嫌よは好きのうちはない、嫌なものは嫌
  • アルコールや薬物を取得しているときには判断をしない、断る
  • 嫌なときはハッキリとNOという。曖昧な回答は合意と誤解されることがある。
  • 相手に触れることだけじゃなく、自分のプライベートパーツを見せることもアウト
  • 全回合意したんだから、今回もいいだろうはなし、毎回、合意が必要
  • 一度、合意した場合でも途中で嫌になったら断ってもいい

バウンダリーとプライベートパーツ

バウンダリー

バウンダリーとは「境界線」のことです。人と人の間にはバウンダリーが存在します。そのバウンダリーを超えて中に入っていい人、いけない人というのは、人によって個別に異なります。それは親子でもそうです。よくあるのは、思春期の子どもが、子ども部屋に親に入って欲しくないというのは典型的なバウンダリーです。本人がそう宣言したなら、例え部屋が片付いてなくても尊重して、自己責任にまかせ、バウンダリーは守るべきです。

握手してもいい人、ハイタッチまでの人、ハグができるひと、みんなそれぞれ違います。そのことを大切にするのがバウンダリーという考え方です

プライベートパーツ

そもそもその人の体全身がプライベートパーツなのですが、特に、口、胸、性器、お尻の4つを、もっとも大切なものとしてプライベートパーツとして名付けています。これらは体の内部に繋がり、食べたり排泄したり、妊娠、出産、性愛という生命維持に直接関わる場所だからです。

プライベートパーツは自分だけが触れていい場所で、他人が性的合意なしに触れてはいけない場所です。たとえ親兄弟であってもダメです。口以外のプライベートパーツは、人に見せることも、人に見せられることも避けなければなりません。

プライベートパーツを気楽に触られたり触ったりしていると、それが性的合意(好き)という感情と誤解してしまう場合があります。そしてその行為にことわることができなくなり、思わぬ性被害に遭うことがあります。日常的にプライベートパーツは自分で守るという意思をもつようにしましょう。

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