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男女共同参画とは
男女共同参画とは、男女が性別に関わらず、社会のあらゆる分野で平等に参画し、個人としての能力を最大限に発揮できる社会を目指す理念や政策です。この理念は1999年に制定された「男女共同参画社会基本法」を基礎としています。
背景と目的
- 歴史的背景:
- 戦後の日本国憲法第14条(男女平等)から始まり、1970年代以降の女性解放運動の影響を受けて進展。
- 国際的には、1979年の「女性差別撤廃条約(CEDAW)」や1995年の「北京宣言」が男女共同参画に影響を与えた。
- 目標:
- 性別による固定的な役割分担の解消。
- 女性の社会進出の後押し。
- 性別に関係なく、多様な生き方を選べる社会の実現。
男女共同参画社会基本法(1999年)
男女共同参画社会基本法は、男女共同参画を推進するための基本方針を定めた法律です。
主な内容
- 基本理念:
- 男女の人権が尊重される社会の実現。
- 社会の仕組みや慣行が男女共同参画の障害とならないようにする。
- 家庭生活と仕事の調和(ワークライフバランス)を支援。
- 国・地方自治体の責務:
- 男女平等を推進する政策を立案・実施。
- 女性の社会進出を支援する環境づくり。
- 重点目標:
- 政治分野への女性の参画促進。
- 育児・介護などでの負担が偏らない環境づくり。
- ハラスメントや暴力対策。
男女共同参画推進法(2018年)
男女共同参画推進法は、特に雇用分野での女性活躍を後押しすることを目的とした法律です。
主な内容
- 女性活躍推進計画:
- 従業員101人以上の企業は、女性の活躍に関する具体的な目標を設定し、計画を作成する義務があります。
- 行動計画の公開:
- 計画や進捗状況を公開し、社会全体で意識を高める。
- 罰則:
- 計画を実施しない場合、企業名が公表される可能性があります。
バックラッシュ(反動)
バックラッシュとは、男女共同参画やフェミニズムの理念や施策に対する反発や巻き戻しの動きを指します。
主な特徴
- 批判の内容:
- 「男女共同参画は男性差別だ」「家族の価値を壊す」という批判。
- 性教育やジェンダー平等に対する保守的な反発。
- 「過激なフェミニズム」とのレッテル貼り。
- 具体例:
- 地方議会で性教育教材や男女共同参画計画が撤回される事例。
- インターネット上でのフェミニストへの攻撃。
- 背景:
- 社会の急速な変化への不安。
- 性別役割を守ろうとする価値観の根深さ。
- 男女平等が進むことで特権を失うと感じる層の反発。
課題と展望
課題
- 女性の賃金格差や政治分野への参画不足。
- ハラスメントやDVといった性別に基づく暴力の根絶。
- バックラッシュへの対応。
展望
- ジェンダー平等の重要性が国際的に認識されており、日本でも取り組みが強化。
- 教育や意識啓発を通じ、固定観念の解消を図る。
男女共同参画の推進には、政策面だけでなく、社会全体の意識改革が不可欠です。バックラッシュの存在は進歩の裏返しとも言えますが、その対策が日本社会の成熟度を問う試金石となっています。
ZINE
地元でもまちだ男女平等フェスティバルが開催されてる。事務局は、男女平等推進センター。
男女共同参画推進センターじゃなくって、男女平等推進センターっていってるのは極めて珍しく、その設立には紆余曲折があったそうな。