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ウーマンリブ(Women’s Liberation)は、女性の権利を主張する運動で、性別に基づく不平等の撤廃を求めました。しかし、後のフェミニズムはウーマンリブが主に白人中産階級の女性の経験に焦点を当て、他の人種や階級の女性の経験を十分に考慮していないと批判しました。これはインターセクショナリティの概念を生み出し、多様な女性の声を聞く現代フェミニズムの発展に寄与しました。

リブ(Women’s Liberation Movement、ウーマンリブ)は、1960年代から1970年代にかけて、特に欧米で盛んになったフェミニズム運動の一環として展開されました。この運動は、女性が社会的、経済的、政治的に対等な権利を得るために行われた一連の活動を指し、以下のような活動が特徴的でした。

1. 身体的な自由と性の解放

リブ運動の重要なテーマの一つが、身体的な自由と性の解放でした。避妊や中絶の権利、性教育の拡充、性暴力の撲滅などに取り組むことで、女性が自身の身体をコントロールし、自分の人生を主体的に生きることができるようにすることを目指しました。1970年代のアメリカでは中絶を合法化するための闘いが活発に行われ、日本でも中絶や産婦人科での診療に関する権利について議論が起こりました。

2. 「家事労働」への意識改革

リブ運動は、家事労働が女性の無償労働と見なされることに対する批判も行いました。特に、家事労働は「当然の義務」ではなく、労働として評価されるべきものと考え、経済価値の見直しを訴えました。これは家父長制的な家庭の役割分担に疑問を投げかけるものであり、男性と女性の対等なパートナーシップを求める基礎となりました。

3. 女性の労働権と賃金の平等

女性の経済的な自立もリブ運動の中心的なテーマでした。特に賃金格差の解消や雇用の平等、女性が望む職業に就く自由を求める活動が盛んに行われました。アメリカでは、1963年に「男女賃金平等法」が制定され、その後も女性の職業差別に対する訴訟が相次ぎました。日本でも、雇用機会均等法が1986年に施行され、職場での男女平等の取り組みが進められました。

4. レイプ、性暴力に対する反対運動

リブ運動は、性暴力が「個人の問題」ではなく「社会構造に根ざした問題」であることを訴え、レイプやDV(ドメスティック・バイオレンス)に対する反対運動を展開しました。これにより、女性が声を上げ、支援のための制度が整備されていく契機となりました。アメリカではレイプ・クライシスセンターが設立され、日本でも女性の性被害に対する意識が高まりました。

5. 政治への参加

女性が政治に参加する権利を拡大するための取り組みもリブ運動の一環でした。選挙権を持っていたものの、政治的な場面での発言権が限られていた女性たちは、議会や地方政治に積極的に参画するようになり、女性の代表者を増やす活動を推進しました。これはその後の女性議員や市民団体の設立、政治的アドボカシー活動の土台となりました。

6. 「意識向上グループ」の形成

リブ運動の特徴的なアプローチの一つが、意識向上グループ(consciousness-raising groups)です。小さなグループで集まり、自分たちの日常の悩みや経験を共有し、これが単なる「個人の問題」ではなく、社会的な問題であることを認識しました。これにより、フェミニズムが身近な問題として広がり、女性たちが自分自身を解放するプロセスが生まれました。

7. 日本におけるリブ運動

日本では、1970年の「第1回ウーマンリブ大会」からリブ運動が始まりました。中でも、田中美津が書いた『いのちの女たちへ』は、当時のリブ運動に影響を与えた著作として知られています。日本のリブ運動は、主に性の自己決定権、家父長制からの解放、母親役割の強制からの解放などを目指し、1970年代に急速に盛り上がりました。

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