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「伝統的な家族像」という言葉は、過去から受け継がれてきた特定の家族の形や役割分担、価値観を指す言葉です。日本における伝統的な家族像は、家父長制や家制度に基づいた家族の形態を意味することが多いです。この概念にはいくつかの特徴があります。

1. 家父長制

伝統的な家族像では、家長(通常は父親)が家族の主導権を握り、家族全体の生活を支える存在とされます。家長は家族の経済的な支え手であり、家族全体の意思決定を行う権限を持ちます。家父長制の下では、男性が家族内の権威を持ち、女性は主に家庭内の役割を担うとされます。

2. 役割分担

伝統的な家族像には、男女の役割分担が明確に存在します。例えば、男性(夫)は主に外で働き、家族を養うための収入を得る役割を持ち、女性(妻)は家庭内で家事や育児を担当するという構造です。この役割分担は、家庭内の調和や秩序を保つためのものとされてきました。

3. 結婚と子育て

伝統的な家族像では、結婚は個人の選択というよりも、家の存続や社会的な義務としての側面が強調されます。結婚は家と家との結びつきや、社会的・経済的な安定を図るための手段と見なされ、夫婦は子どもを生み育て、次の世代に家を継承することが求められます。

4. 家制度と家の継承

日本の伝統的な家族像は、家制度と密接に関連しています。家制度の下では、家は社会の基本単位とされ、家の存続が重要視されます。家族全員が家のために働き、家の繁栄を第一に考えることが求められました。特に長男が家を継ぐことが一般的で、家督相続を通じて家の財産や名誉を保持することが期待されました。

5. 親孝行と家族の和

伝統的な家族像では、家族の絆や親孝行の精神が重視されます。親を敬い、家族全員で支え合うことが美徳とされ、家族の和が何よりも重要と考えられました。親の面倒を見ることや、家族間の調和を保つことが求められるなど、家族の中での役割や責任がはっきりしていました。

6. 宗教や道徳観との結びつき

伝統的な家族像は、しばしば宗教的な教えや道徳観と結びついています。例えば、仏教や神道の影響を受けた家族の儀礼や祭りが行われ、家族の絆を深めるための儀式や慣習が大切にされてきました。また、儒教的な価値観(親への敬愛、家族の和、義理と人情)も伝統的な家族像に大きな影響を与えました。

まとめ

「伝統的な家族像」とは、家族の中での明確な役割分担、家の存続と継承、家父長制に基づく男性の主導的役割、そして家族間の強い絆や親孝行の精神が強調される家族のあり方を指します。こうした伝統的な家族像は、長い歴史の中で日本社会に深く根付いてきましたが、現代社会においては、多様化する家族の形態や価値観の変化に伴い、見直されることも多くなっています。

ZIEN

伝統的家族とは、選択的夫婦別姓や、同性婚に反対する保守系議員がつねに、それが壊れるから認められないという理由に使われる。しかしちょっと歴史に詳しい人なら、伝統的というわりには歴史が浅いことに気がつくだろう。

そもそも平民には姓なんてものはなかったし、家制度をまもっていたのは、一部の階級の人達だけだ。血縁というより株式会社や商店にちかい概念が「家」だという人もいる。

伝統的家族における家父長制というのは、男系天皇を主権者として、その男系天皇から付託をえた家父長が納める「家」という、明治政府の国家統合の戦略があるとおもう。それは西洋列強にまけない近代国家をなんとかしてつくろうとした、アジアの小国の戦略だったのだろう。それが富国強兵と言う言葉にも繋がる。

結局、伝統的家族というのは、平時は労働者を、有事には兵士を生産し、再生産するための装置だったのだ。

すなわちこれは戦争のための道具なのだと思う。だから保守は守りたいのだ。

わたしは伝統的家族に組み込まれた労働者でも兵士もでない。ましてやそれを産み育てる装置でもない。
わたしは「家族」でななく「かぞく」という繋がりのなかで生きてる独りの人間だと思いたい。

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