マミートラック

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マミートラックとは、働く母親が育児や家庭の責任と両立するためにキャリアの成長を制限されたり、昇進・昇格の機会が減少したりする現象を指します。これにより、母親たちは職場で通常のキャリアパスを外れ、責任や業務量の少ないポジションに配置されることが多くなります。

具体的な例として、育児休暇後に元のポジションではなく補助的な仕事に配置される、残業や出張の少ない仕事を任される代わりに昇進の機会が減る、などが挙げられます。マミートラックの問題点は、母親たちが自分のキャリアを犠牲にする形になり、職場でのジェンダー不平等を助長する可能性があることです。

マミートラック支援が女性に偏ることによる弊害を教えてください

マミートラックの支援が女性に偏ることは、さまざまな弊害を生む可能性があります。本来、育児や家庭のケアに関する問題は男女問わず重要であり、男性も利用すべき支援であるはずです。しかし、現状では以下のような問題が生じています。

1. ジェンダー役割の固定化

マミートラックの支援が女性に偏ると、「育児や家庭のケアは女性の役割」という固定観念が強化されてしまいます。これにより、男性が育児や家庭の責任を持つことに対して、職場や社会からの理解が進みにくくなります。結果として、男性が育児休暇を取得しづらくなるだけでなく、育児に積極的に関わることが「特別な行為」とされてしまう傾向が続きます。

2. 男性の育児参加の機会を奪う

マミートラックの支援が女性のみを対象とすると、男性が育児休暇やフレキシブルな働き方を求める際に「利用しづらい」「職場で評価が下がる」といった障害が生じます。男性も仕事と育児のバランスを取りたいと望んでいるケースが多いため、支援の偏りは彼らの選択肢を狭め、育児に参加する機会を奪う結果となります。

3. 女性のキャリアへの影響が強まる

女性にのみ支援が集中すると、「育児をする女性=マミートラックに入る」といった職場の暗黙の了解が生まれる可能性があります。これにより、女性が育児や出産を考えることが、キャリアを中断する前提と見なされてしまい、採用や昇進の場面で不利になることがあります。これは職場でのジェンダー不平等を助長し、女性のキャリアパスを制限します。

4. 男性が育児に積極的に関わる文化の育成を阻害

支援が女性に偏ることで、男性の育児参加や家庭への関わりをサポートする文化の育成が妨げられます。多くの男性が育児に積極的に参加する社会では、男女ともに仕事と家庭のバランスをとりやすくなるはずです。これが欠けていると、女性だけが家庭と仕事の両立に苦労し続け、男性は職場でのキャリア追求に専念せざるを得ない状況が続きます。

解決策としての「ペアレントトラック」の提案

こうした弊害を解決するためには、女性だけでなく、男性も含めた「ペアレントトラック(親トラック)」という支援のあり方を考えることが必要です。性別にかかわらず、親としての役割を尊重し、育児や家庭のケアと仕事の両立をサポートする制度を整えることで、真のジェンダー平等を実現できるでしょう。

ZINE

マミートラックに陥らないためには、ペアレントトラックが必須ですが、そのためにはパートナーの会社が、リモートを含めた自由な働き方、そして長時間労働を評価の1つにしてないことを確認することが重要です。

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