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石川県能登地方では、2023年の地震と2024年の豪雨による水害が発生し、多くの人的・物的被害をもたらしました。これらの災害を通じて、避難所運営や復興の過程でジェンダーにまつわるさまざまな問題が顕在化しました。

被害の概要

1. 地震の被害(2023年)

人的被害: 地震による死者・負傷者が多数発生。過疎地では高齢者が多く、避難や救助が困難を極めました。

物的被害: 家屋の全壊・半壊、道路やインフラの損壊。避難所生活が長期化しました。

2. 水害の被害(2024年)

人的被害: 豪雨による死者16人、浸水被害による避難者も多数。

農業被害: 水田や農地の広範囲にわたる浸水。地域の農業生産が打撃を受けました。

インフラ被害: 道路や橋梁、水道施設が破損し、大規模な復旧作業が行われました。

避難所におけるジェンダー問題

1. プライバシーの不足

避難所では仕切りが不十分で、女性が着替えや授乳を行う際にプライバシーを確保できず、大きなストレスを感じました。

2. 女性特有の衛生用品の不足

生理用品や女性用下着など、必要不可欠な衛生用品の供給が遅れ、女性の健康リスクが高まりました。

3. 性被害のリスク

避難所の混雑や監視体制の不備から、性被害のリスクが指摘されています。特に夜間のトイレ利用や移動時に不安を感じる女性が多かったです。

4. ジェンダー役割の固定化

避難所での炊事や掃除といった家事労働が、性別に基づいて女性に偏る現象が報告されました。この無償労働が女性に過剰な負担を強いる結果となっています。

5. 健康リスクの増大

避難所での生活環境が悪化する中、女性が水分摂取を控えることによるエコノミークラス症候群のリスクが高まりました。

地方の保守性と復興におけるジェンダー課題

地方の保守的文化

能登地方のような地方部では、家父長制や伝統的なジェンダー観が根強く、女性や若者の声が政策や運営に反映されにくい状況が続いています。

女性リーダーの不足

復興計画や避難所運営の意思決定の場において、女性が参画する機会が限られており、ジェンダーバランスの是正が求められています。

ジェンダーに配慮した防災と復興の重要性

女性の参画促進

避難所運営や復興計画に女性を積極的に参画させることで、女性や子ども、その他のマイノリティのニーズに応えることができます。

プライバシーと安全の確保

避難所内に女性専用スペースや仕切りを設置することで、安心して過ごせる環境を提供します。

衛生環境の改善

女性特有の衛生用品や物資の備蓄・供給体制を強化することで、健康リスクを低減します。

ジェンダー平等の教育

地域社会全体でジェンダー平等について学び、災害時の役割分担や支援のあり方を見直す必要があります。

まとめ

石川県能登地方の地震と水害は、地方の災害におけるジェンダー問題を浮き彫りにしました。復興の過程で、ジェンダー平等を促進し、多様な視点を取り入れた防災・復興計画を実現することが重要です。これらの課題を解決することは、地域社会の持続可能性を高める鍵となります。

ZINE

2024年の流行語大賞にすら上がらず、話題に登らない能登の地震と水害について取り上げてみた。
これは、都会と地方の問題でもあるし、ある意味、首都圏も被害があった3.11とは話題の上がり方がちがう。

避難所の管理者は、地域の地位のある男性が多く、生理用品を一日1枚に限定したとの噂もあった。
当然そんなことだから、性的マイノリティに向けての配慮なんて全くない。

地方を出る女性という記事を以前書いたけど、その理由がここにもあるのかもしれない。

能登を出ずに生きていける女性や性的マイノリティが入れる社会に変わればいいのだけど。

この記事を書いた人