Glossary

SNSで偏った見方に陥らないために、知っておくべき重要な言葉を解説します。
情報の偏りに気づき、批判的思考を育むためのキーワード集です。

フィルターバブル(Filter Bubble)

SNSや検索エンジンが、ユーザーの過去の行動に基づいて好む情報ばかりを表示する現象。異なる意見に触れる機会が減り、自分の見ている世界が偏るリスクがある。

例:

  • 特定の政治家を支持する投稿に「いいね」していると、同じ政治家を称賛する投稿ばかりがタイムラインに表示され、反対意見が見えなくなる。

エコーチェンバー(Echo Chamber)

同じ意見を持つ人たちの集団内で情報が反復され、意見が強化されていく現象。異なる意見を排除し、考え方が極端になるリスクがある。

例:

  • 陰謀論を信じる人たちのコミュニティでは、その情報が何度も共有され、疑いの余地がなくなる。

インプレゾンビ(Impre Zombie)

SNSで「インプレッション(閲覧数)」を稼ぐことだけを目的に、過激な言動や煽動的な投稿を繰り返す人のこと。事実よりもバズることが優先される。

例:

  • 根拠のない「この世の終わりが近い!」という投稿がバズり、投稿者がさらに過激な発言を続ける。

XYジャーナリズム(X-YouTube Journalism)

X(旧Twitter)とYouTubeを使い、政治家やインフルエンサーが既存メディアを介さずに、直接フォロワーに情報を届ける手法。視聴者は一方的な主張に影響されやすく、事実確認が不十分なまま意見が広がるリスクがある。

例:

  • 政治家がXで短く過激な投稿をし、YouTubeで長尺の動画で「真実」を語ることで、フォロワーが既存メディアを「嘘つき」と決めつけてしまう。

ワンフレーズポリティクス(One-phrase Politics)

政治的な主張を短いキャッチコピーに凝縮し、簡単に拡散させる手法。内容の複雑さが省かれるため、誤解を招きやすい。

例:

  • 「Make America Great Again」や「ゼロコロナ政策」はシンプルだが、具体的な中身を説明していない。

広告依存(Ad Dependency)

SNSやオンラインメディアが広告収益に依存するため、過激な情報やセンセーショナルなコンテンツを優先的に表示する傾向が強まる。

例:

  • フェイクニュースでも多くの人がクリックすれば広告収益が上がるため、メディアがセンセーショナルな記事を掲載する。

大衆煽動(Demagoguery)

恐怖や不安、憎悪といった感情を利用して大衆を特定の方向に誘導する手法。SNSでは過激なリーダーやインフルエンサーがこれを使う。

例:

  • 「外国人労働者があなたの仕事を奪う!」という主張が、根拠がなくても不安を煽り、大衆の支持を集める。

確証バイアス(Confirmation Bias)

人は自分の信念や価値観に合致する情報ばかりを集め、異なる意見を無視する傾向がある。SNSではアルゴリズムがこのバイアスを強化する。

例:

  • 政治的に偏ったニュースばかりを読むことで、自分の考えが正しいと思い込み、他の意見をシャットアウトしてしまう。

ソーシャルプルーフ(Social Proof)

多くの人が「良い」と評価している情報を信じやすくなる心理効果。SNSでは、いいねやリツイートの数で判断してしまう。

例:

  • フェイクニュースでも、多くの人がシェアしていると、それが事実だと錯覚してしまう。

ガスライティング(Gaslighting)

他人の認識や判断力を意図的に歪め、自己評価を低下させる手法。誹謗中傷や嫌がらせとして使われる。

例:

  • 「お前は何もわかっていない」と繰り返し言われることで、自分が間違っていると信じ込んでしまう。

モラルパニック(Moral Panic)

特定の社会現象が過度に危険視され、大衆の恐怖が煽られる現象。SNSでは話題が偏りやすく、事実が歪むことがある。

例:

  • 「若者のSNS利用が社会を壊す」といった主張が、問題を過大評価して広がる。

ドゥームスクローリング(Doomscrolling)

悪いニュースばかりを延々とSNSで見続けてしまう行動。これにより、世界が絶望的であるという認識が強まる。

例:

  • 災害や戦争、経済危機のニュースばかりを読み続け、心が疲弊してしまう。

アストロターフィング(Astroturfing)

実際には企業や政治団体が仕組んだキャンペーンが、草の根運動のように見せかけられる手法。

例:

  • 「自然発生的な支持者」に見せかけて、実は企業や政党が意図的に作り上げた動きがある。

偽の同等性(False Equivalence)

異なる立場の意見を無理に「対等」と見なすことで、誤解を招く現象。科学的事実と陰謀論が同等に扱われるケースなどがある。

例:

  • 「地球温暖化は科学的事実だが、反対意見も尊重すべき」という誤解を招く主張。

まとめ

SNS時代において、これらの言葉を知っておくことで、偏った情報に踊らされずに冷静な視点を保つことができます。フェミニズムを含め、どんな議論にも通じるリテラシーです。

ZINE

半分〜2/3は私から提示して、それで足りない用語をSolaに足してもらって、短い解説と例を考えてもらった。ここで通底してわかることは、わたしたちはプラットフォームの広告収益を増やすために、扇動され、偏った物の見方に誘導され、洗脳されているということだ。

洗脳されることは、コントロールに身をゆだね、同じ様な考えを投稿する仲間と連帯できるわけだから、ある種の快楽なんだろう。そして人間は快楽に弱い。

自らSNS以外のメディア、特に有料で売られているメディアを読み、ネットでも一次情報、学術論文などを紐解き、事件がおきている現場にいってみて、当事者と会話してみる。こういうファクトチェックを自分で出来る範囲でやってみないと、真実にはたどり着かない。

SNSに真実なんてないんだってことを、今見てる情報もフィルターバブルで表示され、エコーチェンバー状態になった確証バイアスに染まった、ソーシャルプルーフな投稿なんだってことを知った上でつかうべきだとおもう。

本当にSNSは毒だ。

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