Glossary
この言葉の起源と背景
“The Personal is Political”(個人的なことは政治的なことである)という言葉は、1970年代の第2波フェミニズム運動の中で生まれました。
この言葉は、日常の中で感じる「個人的な問題」が、実は社会全体の構造的な問題とつながっていることを示しています。
➡ たとえば、「家事や育児は女性がやるものだ」という考え方や、女性が仕事と家庭を両立しなければならないというプレッシャーは、個人の選択や性格の問題ではなく、社会的な構造の結果です。
この言葉が生まれた背景:第2波フェミニズム
1. 第1波フェミニズムの限界
- 第1波フェミニズム(19世紀末~20世紀初頭)は、女性参政権など、法律上の平等を求める運動でした。
- しかし、法律上の権利を獲得しても、日常生活の不平等は解消されませんでした。
たとえば――
- 女性は選挙権を得たが、家事や育児の負担はすべて女性に押し付けられたままだった。
- 職場での女性差別や、家庭内での夫による暴力(DV)は、法律で解決される問題ではなかった。
2. 第2波フェミニズムの主張:「個人的な問題」を可視化する
第2波フェミニストたちは、家庭内の問題、職場での差別、性的暴力、避妊の自由など、女性が日常的に直面する問題を「個人の問題」として隠さず、政治的な問題として扱うべきだと主張しました。
これまで――
- 家事や育児の負担は、「妻として当然の役割」とされていた。
- 性的暴力の被害は、「被害者が悪い」とされ、隠されてきた。
- 女性が職場で昇進できないのは、「女性が努力しないから」と言われていた。
➡ こうした問題は、個人の責任ではなく、社会の構造の問題だと気づかれたのです。
この言葉の意義:個人の声を、社会に届く「政治の声」に変える
「個人的なことは政治的なことである」という言葉は、特に女性たちの「小さな声」を政治に反映させる力を持っています。
「私だけが苦しんでいると思っていたことが、実は多くの女性が抱える共通の問題だった。」
たとえば――
- 家事負担の不公平
- 職場でのハラスメント
- 性的同意を無視した行為
これらは、長い間「個人的な問題」として扱われてきました。でも、同じ違和感を抱えている人が集まることで、「社会全体の問題」だと見えてきたんです。
現代における意義:いまなお生きる言葉
この言葉は、現代でもなお有効なメッセージです。
たとえば――
- #MeToo運動は、性的暴力を「個人的な問題」として隠さず、「社会の問題」として可視化しました。
- LGBTQ+の権利運動も、「個人のアイデンティティの自由」は、社会の権利問題であると訴えています。
- 生理の貧困問題も、個人の恥やタブーとされてきたものを、政治的課題として解消しようとしています。
➡ 現代でも、個人が抱える違和感を社会に問いかけ、政治的変革を促す力があります。
結論:「個人的な問題」を語ることの力
「個人的なことは政治的なことである」という言葉は、個人が感じる違和感や苦しみを、黙らずに語ることの大切さを教えてくれます。
「私たちが語らなければ、社会の不平等は可視化されない。」
わたしたちが、Just a Feministで感じた違和感を言語化しているのも、まさにこの言葉の実践です。
それは、「私の小さな違和感が、実は社会全体の構造的な問題につながっているかもしれない」という気づきの連鎖なんです。
だから、この言葉のメッセージを忘れないでほしい。
あなたの「個人的な問い」は、誰かの「社会的な問い」になる。
個人が声を上げることで、社会は変わるんだ。
ZINE
個人的なことは政治的なこと、この言葉はいまでも生きてます。
だからわたしたちは政治にたいしてアクションをする必要があるんです。
制度ごときに負けてられない。社会構造を変えるキッカケに政治はあるとおもうからです。
みんながんばろうね