個々の異常気象について、地球温暖化がどの程度影響したかを定量的に評価する手法。気候モデルを使い、実際の(温暖化した)気候状態と、人為的な温暖化がなかったと仮定した気候状態の両方を大量にシミュレーションし、両者を比べる。ある猛暑の発生確率が何倍になったか、ある豪雨の総雨量が何パーセント増えたかを見積もることができる。
「この災害は温暖化のせいか」という問いは、長らく答えにくいものだった。異常気象は気候システムの自然な揺らぎでも起こるからである。この手法は、その問いを「起こったか否か」ではなく「どれだけ起こりやすくなったか」に置き換えることで、答えられる形にした。
日本では気象庁気象研究所を中心に実施されている。2024年9月の石川県能登の大雨については、温暖化がなかった場合に比べて総雨量が増加していたと分析された。2025年夏の記録的高温については、温暖化の影響がなければ発生し得なかったとされている。
災害を個別の不運としてではなく、選択の帰結として見るための道具である。
→気候正義、→気候危機