SRHR

セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)は、個々の人が、健康で満足な性生活を送り、自分の生殖に関する選択を自己決定できる権利を指します。SRHRには、性教育、家族計画、性感染症の予防、安全な妊娠・出産、そしてジェンダー平等などが含まれます。これは、LGBTQ+の人々や女性が性と生殖に関する健康と権利を享受する権利を強調しています。

  1. 女性の自己決定権:
    • 家族計画: SRHRには、個人が自らの生殖に関する選択を自己決定できる権利が含まれます。これは女性が妊娠と出産のタイミングを選択できることや、避妊法を選択できることを意味します。
    • 性教育: 女性が性に関する正確な情報を得る権利もSRHRに結びついています。性教育は、自己決定権を強化し、安全で健康な性生活をサポートします。
  2. LGBTQ+との関連:
    • 包括性と平等: SRHRの理念は、すべての人が性と生殖に関する権利を享受できることを強調しています。LGBTQ+の個人も、その性的指向や性自認に関わらず、包括的で平等な健康ケアを受ける権利があります。
    • 差別と偏見への対抗: LGBTQ+の人々はしばしば医療や健康ケアへのアクセスにおいて差別や偏見に直面します。SRHRは、これらの差別に対抗し、すべての個人が尊重され、適切なケアを受ける権利を確保しようとするものです。

これらの概念は、個々の人が自分の身体や生殖に関する権利を行使し、差別から解放され、尊重される社会を構築することを目指しています。SRHRの原則は、個人やコミュニティ全体の健康と福祉を向上させ、包括的な性と生殖の権利を確保することを目指しています。

SRHRと医療

SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights、性的および生殖に関する健康と権利)は、個々人が自分の性と生殖に関する決定を自主的に行う権利のことを指し、包括的な健康や人権の一環として考えられています。日本ではSRHRに関する課題が多く指摘されていますが、その背景には法律や社会的な慣習、制度の不備が関わっています。以下に、いくつかの主要な問題を詳しく説明します。

1.経口避妊薬へのアクセス

日本では経口避妊薬の普及が他国に比べて低く、その理由として医師の処方が必要で高額な自己負担があること、性教育の不足や社会的偏見が挙げられます。避妊の責任が女性に偏る状況も影響し、コンドームに依存しがちな中で女性の選択肢が限られています。改善には、処方制限の緩和や保険適用の拡充、性教育の強化と偏見の解消が求められています。SRHRの視点からも、女性がより自由に選択できる環境が必要です。

2. 緊急避妊薬の問題

日本では緊急避妊薬(アフターピル)の取得が制限されています。欧米諸国では薬局で購入できる場合が多い一方で、日本では医師の診察を受けなければならず、処方が必要です。この手続きが、特に時間が重要な緊急避妊において大きな障害となっており、また受診に伴うプライバシーの懸念や、医療費も問題視されています。さらに、緊急避妊薬を利用する際には、女性の選択の自由が制限される場合も多く、これがSRHRの侵害とされています。

3. 配偶者の承諾が必要な医療手続き

日本では、配偶者や家族の承諾が必要な場合がある医療手続きもあり、これが個人の決定権を制約する一因となっています。例えば、中絶手術の際には配偶者の承諾が必要とされる場合があり、これは特にドメスティックバイオレンス(DV)の状況にある女性にとって大きな障害です。国際的には、SRHRの観点からも、女性が自身の体に対する選択権を持つべきだという声が高まっています。

4. HIV予防薬 PreP の高額化

PreP(Pre-exposure prophylaxis)は、HIVの感染を予防するための薬であり、国際的には感染リスクのある人々に対して推奨されている効果的な手段です。しかし、日本ではこの薬の価格が非常に高額であり、保険適用もされていないため、多くの人がアクセスできない状況にあります。これはHIV予防の面で大きな障害となっており、公衆衛生や個人の健康の観点からも改善が求められています。

5. 性別不合(トランスジェンダー)におけるホルモン治療と保険適用

性別不合の人々が行うホルモン治療は、性同一性に関する重要な医療行為です。しかし、日本ではこの治療が保険適用外であるため、高額な医療費がかかることが問題です。また、性別適合手術に関しても、家族構成に関する法律や診断基準が厳しく、自由な選択を制限しています。トランスジェンダーの人々が自分のアイデンティティに合った医療を受けることができるようにするためには、法制度や医療制度の改革が必要です。

SRHRに関するその他の課題

  • 包括的性教育の不足:日本では学校での包括的な性教育が十分に行われておらず、性に関する健康リテラシーが低いことが指摘されています。これにより、若者が正確な情報を持たずに性的なリスクにさらされることがあります。
  • 生理用品のアクセス:生理貧困もSRHRの一環として認識されていますが、生理用品の無料提供やアクセスの拡充が十分に進んでいません。
  • 妊娠中の医療サービスへのアクセス:妊婦に対する医療サービスが地方では不十分である場合が多く、出産時のリスクが高まることがあります。

SRHRの向上には、個人の選択を尊重し、医療へのアクセスを平等にするための政策変更や法的保護が不可欠です。また、これには社会的な意識改革も重要であり、SRHRが基本的な人権として理解される必要があります。

ZINE

SRHRスタンディングアクションに行ってきた。

自分の体の事をを自分で決められる社会を作るのに、これだけの人があつまってアクションをしないけないこの国は何かが間違えてる。その1つが、政治を扱う人間をふくめて、包括的性教育教育を受けてない、すなわち人権意識が低いということに尽きるとおもった。女性、同性愛者、トランスジェンダーから、特に医療にかんする主張が述べられ、それらが全て、自己決定権にもとづいてるものであることに気がついたとき、現在のわたしたちは、なにか巨大な闇によって支配されているのかもって思った。

でも、若い参加者が、当たり前のようにSRHRや包括的性教育を語る姿は素晴らしく、彼女らはSNSという武器を持っていることもあり、時代はすこしずつ、変わっていくんだろうなって(何年も前から言ってるけど)思いました。

もっと長く感想書きたいのだけど、

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