人の性のあり方は一つの軸では決まらず、複数の要素の組み合わせでできている、という捉え方。特定の少数者だけの話ではなく、すべての人に当てはまる枠組みである点が要点である。

説明の道具としてよく使われるのが SOGIESC という略語である。性的指向(Sexual Orientation/どの性に惹かれるか)、性自認(Gender Identity/自分をどの性と実感するか)、性表現(Gender Expression/服装や振る舞いでどう表すか)、性的特徴(Sex Characteristics/体の性の特徴)の四つを指す。これらは互いに独立しており、一つが決まっても他は決まらない。

LGBTQ+ という並びが当事者の連帯のための呼称であるのに対し、SOGIESC は誰にでも当てはまる属性の分類である。だから「LGBTQ+の人の問題」ではなく「わたしを含むすべての人の性のあり方」として語れる。国際的には2006年のジョグジャカルタ原則以降、人権文書でこの枠組みが用いられてきた。

ただし注意点がある。SC(性的特徴)の項目にDSDsを当然のように含める整理には、当事者団体から異議が出ている。体の性の発達の話と、性のあり方の多様性の話を同じ枠に入れることが、当事者の望まない誤解を生んできたためである。

多様性という言葉は、便利なぶん、中身を見ずに使われやすい。誰が何を語れるようになったのか、そこまで見て初めて意味を持つ。

→性的指向(sexual orientation) →トランスジェンダー →DSDs(体の性の様々な発達) →ヘテロノーマティビティ →ジェンダー(gender)

参考文献

  • 森山至貴『LGBTを読みとく——クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書、2017年)
  • 「ジョグジャカルタ原則」および「ジョグジャカルタ原則プラス10」(2006年/2017年)
  • ネクスDSDジャパン(nexdsd JAPAN)ウェブサイト

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