性的な行為について、当事者それぞれが自由な意思で「する」と決めていること。抵抗しなかったこと、断らなかったこと、以前に応じたことは、同意ではない。
考え方の整理としてよく使われるのが、次の要素である。自発的であること(脅しや立場の差による強制がない)、具体的であること(一つの行為への同意は別の行為への同意ではない)、撤回できること(途中でやめると言える)、判断できる状態にあること(酩酊や睡眠の状態では成立しない)。
日本の法制度は近年大きく動いた。2023年6月に成立した改正刑法により、強制性交等罪は不同意性交等罪に改められ、同年7月に施行されている。従来は「暴行または脅迫」があったかどうかが要件の中心で、被害者が抵抗したかを問われる運用になっていた。改正後は、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態を八つの類型で列挙する形になり、経済的・社会的な地位の利用や、予想と異なる事態への驚愕なども含まれることになった。同時に、性交同意年齢が13歳から16歳へ引き上げられ、性的な姿態の撮影を処罰する法律も新設された。
法が変わっても、日常の場面で残る問いは変わらない。相手が黙っているとき、それを何と読むか。同意は確認するものであって、推測するものではないという原則が、ここでは効いてくる。
「嫌だと言わなかった」は、いつから同意の証拠ではなくなったのか。答えは、最初からである。
→DV(ドメスティック・バイオレンス) →SRHR →セックスワーク(sex work) →第四波フェミニズム(fourth-wave feminism) →特権
参考文献
- 山本潤『13歳、「私」をなくした私——性暴力と生きることのリアル』(朝日新聞出版、2017年)
- 小西聖子『増補新版 犯罪被害者の心の傷』(白水社、2006年)
- 法務省「性犯罪関係の法改正等について」