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インターセックス・性未分化疾患(DSDs)とは?

インターセックスとは、生物学的な性(身体的性別)が、典型的な男性または女性の分類に完全には当てはまらない状態を指します。これは、染色体、ホルモン、性腺(卵巣や精巣)、または外性器の発達が、いずれかの性に典型的でない場合に発生します。インターセックスは多様な形態があり、以下のような例が含まれます:

  • アンドロゲン不応症: 染色体がXY(男性型)であるが、体がアンドロゲン(男性ホルモン)に反応しないため、外見的には女性の特徴を持つ場合。
  • ターナー症候群: X染色体が1本しかない(または部分的に欠けている)場合。
  • クラインフェルター症候群: 男性型染色体(XY)に追加のX染色体が存在する場合(XXY)。

このような状態は、しばしば医学的に「性分化疾患(DSD: Disorders of Sex Development)」と呼ばれますが、「疾患(Disorder)」という語が病的ニュアンスを含むため、一部では「性多様性」などの表現が提案されています。

LGBTQIAに入れるべきか?

LGBTQIAの「I」はインターセックスを指し、インターセックスはすでにこの頭文字に含まれています。ただし、以下のような議論が存在します。

1. 支持意見

  • LGBTQIA+の枠組みは、性別や性に関する多様性を包括的に表現するためのものです。インターセックスは身体的性の多様性を代表し、この枠組みに含めることで、可視性と社会的支援を高めることができます。
  • インターセックスの人々も、性別に関連した差別や社会的制約を受けることが多く、LGBTQIA+コミュニティの支援と連携が有益です。

2. 反対意見

  • インターセックスは、性的指向やジェンダー・アイデンティティの問題ではなく、身体的性別の問題であるため、LGBTQIA+の枠組みとは異なると主張する人もいます。
  • 一部のインターセックス当事者は、LGBTQIA+コミュニティに含まれることで、自身の問題が性的指向やジェンダーの問題と誤解されるリスクを懸念しています。

身体的・生物学的性別も多様である

インターセックスの存在は、性別が単純な「男性」と「女性」という二元論では説明できないことを示しています。身体的性の多様性は自然界の一部であり、私たちが「典型的」と考える性別の基準自体が、文化的・社会的な枠組みによるものです。インターセックスの認識を深めることで、性のあり方が多様であることを理解し、固定観念から解放されることが期待されます。

生物学的性別もまたスペクトラムであり、人間の多様性を尊重する視点が、社会全体にとって重要です。これは、すべての人が自己のあり方を受け入れ、共生できる未来への鍵となるでしょう。

ZINE

陰茎があるけど、生理もある人、友達にもいるけど存在します。
身体的にも生物学的にも人間の性別は、バイナリーではない証拠です。

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