生まれつき、染色体・性腺・ホルモン・内外性器といった体の性に関わる発達が、多くの人とは異なる経路をたどった状態の総称。アンドロゲン不応症、先天性副腎皮質過形成、ターナー症候群、クラインフェルター症候群など、数十の異なる状態が含まれる。頻度は定義の取り方によって幅があり、オランダの公的調査による人口の約0.5%という数字が比較的よく用いられる。

呼称は、この語をめぐる論点そのものである。かつて用いられた「半陰陽」「両性具有」は、男でも女でもない存在を思わせるとして現在では避けられる。英語圏の権利運動では intersex が定着しており、LGBTI の I はこれを指す。一方、日本では「インターセックス」という語が性行為を連想させることもあって、当事者や家族の多くが忌避してきた。医学用語は「性分化疾患」だが、disorder(障害・疾患)の語を避けて differences と読み替え、「DSDs(体の性の様々な発達)」を用いる立場が広がっている。

日本のDSDs当事者団体の多くは、これを「体の多様性」の問題であり「性の多様性」の問題ではないと位置づけ、LGBTQ+の枠組みに含められることに慎重な姿勢を示している。DSDsの当事者の大半は自分を男性または女性として生きており、性別を変えることを望んでいるわけではない。「男女の中間の性」という説明が繰り返されることが、当事者を最も傷つけてきた誤解である。

最大の人権上の争点は、乳幼児期に本人の同意なく行われてきた外性器の手術である。見た目を「典型的」に近づけることを目的としたこれらの医療は、国際的に批判を受け、成長して自分で判断できるまで待つべきだという勧告が繰り返し出されている。

体の性は多様である。ただしその事実は、当事者を何かの象徴として使うためにあるのではない。

→性の多様性 →月経(menstruation) →トランスジェンダー →本質主義・構築主義 →SRHR

参考文献

「性分化疾患(DSDs)」(PRIDE JAPAN 用語解説)

ネクスDSDジャパン(nexdsd JAPAN)ウェブサイトおよび『DSDの家族のためのハンドブック』

日本小児内分泌学会「性分化疾患初期対応の手引き」

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