性別にかかわりなく、社会のあらゆる分野に参画し、責任も利益もともに担うという理念。1999年に制定された男女共同参画社会基本法が、日本の政策の枠組みを定めている。

この言葉には、訳語をめぐる経緯がある。国際的に使われてきたのは gender equality、すなわち性別による平等である。それを「男女共同参画」と訳したことで、平等という語が正面から出てこなくなった。参画という語は、状態ではなく参加の度合いを指す。何が達成されるべきかが、少しぼやける。この選択を、合意形成のための現実的な工夫と見るか、後退と見るかは、いまも意見が分かれる。

制度としては、5年ごとに基本計画が閣議決定され、地方自治体には条例や男女共同参画センターが置かれている。相談窓口や講座など、実際に人を支える場が全国にできたことは、この枠組みの成果である。

一方で、数値目標は繰り返し先送りされてきた。国際的な指標での順位も低いままである。2000年代には「ジェンダーフリー」への攻撃をきっかけに、自治体の施策や講座が萎縮した時期もあった。

理念を掲げる法があること自体は前進である。ただし法は、それを使う人がいてはじめて働く。センターの予算や人員が細っていないか——実質は、そこに現れる。

→性別役割分業 →ジェンダー研究 →フェミニズム

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