刑法の性犯罪規定は1907年の制定以来ほぼ手つかずで110年が過ぎ、2017年にようやく大きく改正された。強姦罪が強制性交等罪となり、被害者の告訴がなくても起訴できるようになった。

2023年6月の改正はさらに踏み込んだ。強制性交等罪と準強制性交等罪は不同意性交等罪に統合され、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」が中核的な要件となった。暴行・脅迫、アルコールや薬物、恐怖や驚愕、地位の利用など、その原因となりうる8つの事由が条文に列挙されている。性交同意年齢は13歳から16歳に引き上げられ、婚姻関係の有無にかかわらず罪が成立することも明記された。あわせて性的姿態撮影等処罰法が制定され、公訴時効も延長された。

売買春をめぐる法制も動いている。2024年、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行にともない、売春防止法の補導処分と保護更生の章が削除された。女性を取り締まりと更生の対象とみなす枠組みが、支援の枠組みへ置き換えられた形である。2026年8月には法務省の検討会が、買う側の勧誘行為に規制を設けるべきだとする報告書案をまとめた。一方で買春行為そのものの処罰には慎重論が示され、売る側の処罰規定は維持が適当とされている。処罰の網を広げることは、誰を守り、誰を追いつめるのか。

→性売買に関する法制 →性産業と性暴力 →セックスワーク →ハラスメント

参考文献

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