国家権力とあらゆる支配構造への異議申し立てであるアナーキズムと、家父長制批判を軸とするフェミニズムを結びつけた思想であり運動である。19世紀末、カタルーニャの活動家テレサ・マニェやテレサ・クラムントらの実践に端を発し、20世紀にはエマ・ゴールドマンやヴォルテリン・ド・クレール、1930年代スペイン内戦下で女性の「三重の隷属」(無知・生産からの疎外・女性であること)の克服に取り組んだ組織ムヘーレス・リブレスらによって深められた。アナーカ・フェミニズムの核心は、国家と家父長制を「同じ支配システムの二つの表れ」とみなす点にある。参政権の獲得のような制度改革だけでは家父長制の根は絶たれないと考え、家族制度そのものや、運動内部に潜む権威構造にも批判の目を向ける。中央集権や代表制に頼らず、対等な自律的連帯と相互扶助によって社会をつくり直そうとする姿勢は、現代のフェミニズム運動における「誰が意思決定を担うのか」という問いにも重なるだろう。

→家父長制(patriarchy) →フェミニズム(feminism) →ラディカル・フェミニズム(radical feminism) →コモン/コモンズ(common / commons)

参考文献

この記事を書いた人