社会学者。富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在は東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門は女性学、ジェンダー研究、家族社会学。

『家父長制と資本制』(1990年)は、家事労働という不払い労働を軸に、資本主義と家父長制がどう噛み合っているかを論じ、マルクス主義フェミニズムを日本語の議論に定着させた。『近代家族の成立と終焉』(1994年)でサントリー学芸賞。近代家族というかたちが歴史のなかで作られ、そして終わっていくものだという視点は、その後の家族研究の前提になった。2000年代以降は高齢者介護とケアへと関心を広げ、『おひとりさまの老後』は学術書の外側に広い読者を得ている。

2019年の東京大学入学式での祝辞——努力が報われる環境そのものが平等ではないという指摘——は、社会的な議論を呼んだ。2011年朝日賞、2020年アメリカ芸術科学アカデミー会員。WANのサイトで現在も発信を続け、著作の刊行も途切れていない。

日本のフェミニズムを語る言葉の多くが、この人を経由している。それは強さであると同時に、問い直されるべきことでもあるだろう。

→家父長制(patriarchy) →マルクス主義フェミニズム/社会主義フェミニズム →ケアの倫理(ethics of care) →日本社会とリブ・フェミニズム

参考文献

  • 上野千鶴子『家父長制と資本制——マルクス主義フェミニズムの地平』岩波書店、1990年(岩波現代文庫、2009年)
  • 上野千鶴子『近代家族の成立と終焉』岩波書店、1994年
  • ウィメンズアクションネットワーク「上野研究室」https://wan.or.jp/ueno
  • 岩波書店 著者ページ「上野千鶴子」https://www.iwanami.co.jp/author/a107620.html

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