家族と婚姻について定めた条文。1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と定め、2項は婚姻・家族に関する法律が「個人の尊厳と両性の本質的平等」に立脚して制定されるべきことを求める。
眼目は「のみ」の一語にある。明治民法のもとでは、結婚には戸主の同意が必要だった。24条はその家制度を否定し、家ではなく当事者二人を婚姻の主体に据えた。家族という単位より先に個人が来る——その順序を憲法に書き込んだ条文であり、13条の個人の尊重、14条の法の下の平等を、家族の場面に具体化したものとも位置づけられる。
現在、この条文は二つの争いの土俵になっている。ひとつは夫婦同氏を定める民法750条をめぐる争いで、最高裁は2015年と2021年の大法廷でいずれも合憲としたが、反対意見が付いた。もうひとつは同性婚である。「両性」を文言どおり異性間に限って読むか、個人の尊厳という趣旨から同性間にも及ぶと読むか。全国6件の訴訟は高裁段階で判断が分かれ、最高裁大法廷が初の憲法判断を示す段階にある。
家族を守る条文なのか、家族から個人を守る条文なのか。24条の読み方は、その問いのかたちを映している。
→明治民法と家制度 →戸籍制度・戸籍法 →親密圏 →近代家族 →選択的夫婦別姓 →同性婚
参考文献
- 「日本国憲法」衆議院 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
- 「同性婚6訴訟、大法廷に回付 高裁判決割れる、統一判断へ―最高裁」時事ドットコム、2026年3月25日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026032500878&g=soc
- 渡辺康行「同性カップルの婚姻に、どのように最高裁は答え、国会は応えるのか」Meiji.net(明治大学) https://www.meiji.net/life/vol580_watanabe-yasuhiko
- 加藤丈晴「高裁でも違憲!!同性間の婚姻を認めない現行法は憲法24条、14条違反との画期的判決!」北海道合同法律事務所 https://www.hg-law.jp/column/LGBT/entry-3189.html