外見にもとづく差別や序列化のこと。1970年代のアメリカで、太っている人への差別に抗する運動(ファット・アクセプタンス)のなかから生まれた語とされる。就職や昇進、医療の場での扱い、対人関係における評価まで、影響は広い範囲におよぶ。

この概念が鋭いのは、「美しさ」が中立的な価値ではないと示す点にある。何を美しいとするかの基準は、人種、階級、年齢、障害の有無と分かちがたく結びついてきた。色の白さ、痩せていること、若さ、健常な身体——これらを軸とする美の秩序は、特定の身体を標準に据えることで成り立っている。

さらに、外見を整えることは、多くの場合、女性に偏って課される見えない労働でもある。時間、費用、精神的な負担が、社会参加の前提条件として要求される。

一方で、装うことの喜びまで否定する必要はない。問うべきは、それが選択なのか要求なのか、という点だろう。

→ ボディポジティブとボディニュートラル/ジェロントフォビアとエイジズム/ジェンダーバイアス

参考文献

  • 西倉実季・堀あきこ・小林美香ほか『ルッキズムを考える』(現代思想2021年11月号 特集=ルッキズムを考える)青土社、2021年
  • 日本学術会議「美容医療と若年層をめぐる課題」 https://www.scj.go.jp/

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