個人の自由と機会の平等という近代自由主義の原理を、女性にも一貫して適用するよう求める立場。18世紀末のメアリ・ウルストンクラフトや19世紀のJ・S・ミルにさかのぼる系譜を持ち、教育、参政権、雇用、法の下の平等といった制度的な障壁の除去を中心的な課題としてきた。日本の男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法も、この発想の延長線上にある。既存の社会の枠組みは保ったまま、そこへの女性の参入を可能にしていく——この戦略は実務的な成果を数多く生んだ。同時に、なぜ「参入すべき社会」の側は問われないのか、という批判も繰り返し向けられてきた。ラディカルやマルクス主義の立場から見れば、それは構造を温存したまま席をひとつ増やすことにすぎない。成功したフェミニズムは、何を成功と呼ばずにおいたのだろうか。
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参考文献
- メアリ・ウルストンクラーフト『女性の権利の擁護——政治および道徳問題の批判をこめて』白井堯子訳、未來社、1980年(原著1792年)
- J・S・ミル『女性の解放』大内兵衛・大内節子訳、岩波文庫、1957年(原著 The Subjection of Women, 1869)
- Alison M. Jaggar, Feminist Politics and Human Nature, Rowman & Allanheld, 1983(フェミニズムを4潮流に整理した古典的分類)