女性への抑圧を、資本主義や法制度に還元できない独自の支配構造——家父長制——として捉える立場。1960年代末のアメリカで、公民権運動や新左翼運動のなかで女性が周辺に置かれた経験から生まれた。「ラディカル」は過激という意味ではなく、根(radix)にさかのぼるという語義に近い。ケイト・ミレットは『性の政治学』で男女の関係そのものを政治的な支配関係として分析し、シュラミス・ファイアストーンは生殖という身体の条件にまで抑圧の根を求めた。性暴力、DV、ポルノグラフィ、中絶といった、それまで「私的な不運」として処理されてきた問題を、構造の問題として言語化した功績は大きい。一方で「女性」を均質な集団として語りがちな点は、のちにブラック・フェミニズムやインターセクショナリティの側から、またトランスの人びとの側から問い直されることになる。

→[家父長制(patriarchy)] →[第二波フェミニズム] →[ウーマンリブ] →[インターセクショナリティ入門] →[レズビアン連続体]

参考文献

  • ケイト・ミレット『性の政治学』藤枝澪子ほか訳、ドメス出版、1985年(原著 Sexual Politics, 1970)
  • S・ファイアストーン『性の弁証法——女性解放革命の場合』林弘子訳、評論社、1972年(原著 The Dialectic of Sex, 1970)
  • 田中美津『いのちの女たちへ——とり乱しウーマン・リブ論』パンドラ、2016年(初版1972年)

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