01.ジェンダー
セクシスト(sexist)
性差別的な言動をする人。形容詞としても使われ、「セクシストな発言」のように、人ではなく行為そのものを名指すこともできる。 この語は少し扱いがむずかしい。人にラベルを貼ると、たいてい相手は防御に回る。「自分は差別主義者では […]
02.身体と病
ボディポジティブ/ボディニュートラル(body positive / body neutral)
どちらも、外見をめぐる規範との距離の取り方を示す語である。ただし出自も、批判の的も異なる。 ボディポジティブの源流は、1960年代末のアメリカの脂肪受容運動(fat acceptance movement)にある。196 […]
03.クィアと交差性
ヘテロノーマティヴィティ(異性愛規範、異性愛中心主義/heteronormativity)
異性愛を人間の既定値として扱い、それ以外を例外や逸脱として位置づける社会の仕組みのこと。個人の好き嫌いではなく、制度と言葉の側に組み込まれた前提を指す。 概念として広めたのは1990年代のマイケル・ウォーナーだが、下敷き […]
01.ジェンダー
マチズモ(machismo)
男らしさを誇示し、男性が優位に立つことを当然とする態度。スペイン語の macho(雄)に由来し、ラテンアメリカやスペイン語圏の文化を語る文脈で使われてきた語である。日本語では「男性優位主義」と訳される。 現れ方は、大声で […]
06. 法律と制度
生理の貧困(period poverty)
経済的な理由から生理用品を十分に手に入れられない状態。ナプキンの交換回数を減らす、トイレットペーパーで代用するといった対処につながり、皮膚のトラブルや感染のリスク、そして学校や職場を休むことによる機会の損失を招く。 政策 […]
07. 労働
賃金・所得格差
同じ社会で働きながら、性別によって受け取る賃金に差が生じること。日本では長く、先進国のなかでも大きい水準が続いてきた。 厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査によれば、フルタイムで働く人の月額賃金は、男性が37万34 […]
07. 労働
性別役割分業
性別によって担う仕事を振り分ける社会のしくみ。「男は仕事、女は家庭」という形が典型だが、職場のなかでも、男性が意思決定を、女性が補助や接客を担うといった配分として現れる。 このかたちは、しばしば「昔からの自然な役割」とし […]
07. 労働
ベーシックインカム(basic income / BI)
すべての人に、無条件で、定期的に、個人単位で現金を給付する構想。資力調査も就労要件もない点が核心にある。 思想的な源流は古く、トマス・ペインが1797年に、土地の私有によって失われた共有権の補償として全成人への給付を提案 […]
07. 労働
アンペイドワーク(unpaid work/無償労働)
賃金が支払われない労働の総称。家事、育児、介護、看護、地域活動などが含まれる。誰かがやらなければ生活が回らない仕事でありながら、対価が発生しない。この語が問うているのは、その「発生しなさ」がどこから来るのかということであ […]
06. 法律と制度
明治民法と家制度
1898年に施行された明治民法の親族編・相続編が定めた家族制度。「家」を法律上の単位とし、その長である戸主に強い権限を与えた。戸主は家族の居所を指定でき、婚姻や養子縁組に同意を与える権限を持った。家の財産と地位は家督相続 […]
06. 法律と制度
日本国憲法24条
家族と婚姻について定めた条文。1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と定め、2項は婚姻・家族に関する法律が「個人の尊厳と両性の本質的平等」に立脚して制定されるべきことを求める。 眼目は「のみ」の一語にある。明治民 […]
06. 法律と制度
男女雇用機会均等法および改正
1985年に制定され、翌86年に施行された、雇用の場での性差別を規制する法律。女性差別撤廃条約の批准にあたり国内法を整える必要から生まれた。 当初は募集・採用・配置・昇進が努力義務にとどまり、実効性が弱いと批判された。こ […]
06. 法律と制度
男女共同参画
性別にかかわりなく、社会のあらゆる分野に参画し、責任も利益もともに担うという理念。1999年に制定された男女共同参画社会基本法が、日本の政策の枠組みを定めている。 この言葉には、訳語をめぐる経緯がある。国際的に使われてき […]
06. 法律と制度
性暴力に関する法制
刑法の性犯罪規定は1907年の制定以来ほぼ手つかずで110年が過ぎ、2017年にようやく大きく改正された。強姦罪が強制性交等罪となり、被害者の告訴がなくても起訴できるようになった。 2023年6月の改正はさらに踏み込んだ […]
06. 法律と制度
戸籍制度・戸籍法
出生、婚姻、離婚、親子関係、死亡といった身分関係を国が登録し、公に証明する制度。根拠法は1947年制定の戸籍法である。 特徴は、個人ではなく家族を単位に編製される点にある。1871年の壬申戸籍以来、戸籍は「家」を単位とし […]
04. 家族・親密圏
親密圏
具体的な誰かの生や身体への関心と配慮によって成り立つ、人と人との関係の領域。政治学者の齋藤純一は、共通の関心事をめぐって見知らぬ者どうしが言葉を交わす公共圏に対して、この語を置いた。 重要なのは、親密圏が家族と同じではな […]
04. 家族・親密圏
近代家族
産業化とともに成立した、特定の歴史的形態としての家族。夫が賃金を得て、妻が家事と育児を担い、その中心に子どもが置かれる——私たちが「ふつうの家族」と思っているものは、人類に普遍的な形ではなく、近代に生まれた制度である、と […]
04. 家族・親密圏
家事労働
炊事、掃除、洗濯、育児、介護など、家庭のなかで行われる労働。賃金が支払われないため「アンペイドワーク(無償労働)」とも呼ばれる。 この言葉が問題を含むのは、家事が「労働」と呼ばれてこなかったからである。労働とは賃金と引き […]
03.クィアと交差性
性的指向(sexual orientation)
どのような性別の人に恋愛的・性的にひかれるか、あるいはひかれないかという、持続的な傾向を指す。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、ヘテロセクシュアル、アセクシュアルといった言葉は、この軸の上に並ぶ。 「指向」という訳語が […]
03.クィアと交差性
レズビアン(lesbian)
女性を愛する女性。自認にもとづく呼び名であり、誰と関係を持っているかによって決まるものではない。 語源は、古代ギリシャの詩人サッポーが暮らしたレスボス島にさかのぼる。ただし、この語が「女性同性愛者」を指す言葉として使われ […]