04. 家族・親密圏
親密圏
具体的な誰かの生や身体への関心と配慮によって成り立つ、人と人との関係の領域。政治学者の齋藤純一は、共通の関心事をめぐって見知らぬ者どうしが言葉を交わす公共圏に対して、この語を置いた。 重要なのは、親密圏が家族と同じではな […]
04. 家族・親密圏
近代家族
産業化とともに成立した、特定の歴史的形態としての家族。夫が賃金を得て、妻が家事と育児を担い、その中心に子どもが置かれる——私たちが「ふつうの家族」と思っているものは、人類に普遍的な形ではなく、近代に生まれた制度である、と […]
04. 家族・親密圏
家事労働
炊事、掃除、洗濯、育児、介護など、家庭のなかで行われる労働。賃金が支払われないため「アンペイドワーク(無償労働)」とも呼ばれる。 この言葉が問題を含むのは、家事が「労働」と呼ばれてこなかったからである。労働とは賃金と引き […]
03.クィアと交差性
性的指向(sexual orientation)
どのような性別の人に恋愛的・性的にひかれるか、あるいはひかれないかという、持続的な傾向を指す。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、ヘテロセクシュアル、アセクシュアルといった言葉は、この軸の上に並ぶ。 「指向」という訳語が […]
03.クィアと交差性
レズビアン(lesbian)
女性を愛する女性。自認にもとづく呼び名であり、誰と関係を持っているかによって決まるものではない。 語源は、古代ギリシャの詩人サッポーが暮らしたレスボス島にさかのぼる。ただし、この語が「女性同性愛者」を指す言葉として使われ […]
03.クィアと交差性
セクシュアリティ(sexuality)
性にまつわるあり方の総体を指す語。誰にひかれるか、どんな行為をするか、何を快楽と感じるか、自分をどう認識するか、どんな関係を結ぶか——これらをまとめて含む。生殖に還元されないところに、この語の要点がある。 セクシュアリテ […]
02.身体と病
DSDs(体の性の様々な発達 / differences of sex development)
生まれつき、染色体・性腺・ホルモン・内外性器といった体の性に関わる発達が、多くの人とは異なる経路をたどった状態の総称。アンドロゲン不応症、先天性副腎皮質過形成、ターナー症候群、クラインフェルター症候群など、数十の異なる状 […]
18.社会運動
第三波フェミニズム(third-wave feminism)
1990年代から2000年代にかけての潮流。第二波が前提とした「女性」という主語そのものを問い直したところに特徴がある。 きっかけのひとつは、1992年にレベッカ・ウォーカーが雑誌『Ms.』に寄せた文章で、彼女はそこで自 […]
18.社会運動
マルクス主義フェミニズム/社会主義フェミニズム
女性への抑圧を、資本主義という経済構造との関係で捉えようとする立場。家事や育児といった無償の労働が、労働力を日々つくり直し、資本主義を成り立たせているという指摘がその核心にある。マルクス主義フェミニズムが階級構造を主要な […]
18.社会運動
バックラッシュ(backlash)
権利の獲得が進んだあとに起きる、揺り戻しの反動を指す。前進があったからこそ反発が生まれるという順序が、この語の含意である。何も動いていないところに、バックラッシュは起こらない。 この語をフェミニズムの文脈に定着させたのは […]
18.社会運動
ラディカル・フェミニズム(radical feminism)
女性への抑圧を、資本主義や法制度に還元できない独自の支配構造——家父長制——として捉える立場。1960年代末のアメリカで、公民権運動や新左翼運動のなかで女性が周辺に置かれた経験から生まれた。「ラディカル」は過激という意味 […]
01.ジェンダー
ステレオタイプ
ある集団に属する人びとに、一律に当てはめられる固定的なイメージ。この語を社会科学の語彙にしたのはジャーナリストのウォルター・リップマンで、1922年の『世論』において、人が世界を直接ではなく「頭の中の映像」を通して見てい […]
18.社会運動
個人的なことは政治的なこと(the personal is political)
第二波フェミニズムを象徴する標語。私的な領域とされてきた家庭、性、身体、感情のなかにこそ権力関係があるという主張である。 出所はキャシー・ハニッシュが1969年に書いた文章で、翌1970年に刊行された際に編者がこのタイト […]
01.ジェンダー
本質主義・構築主義
あるカテゴリーが何によって成り立っているかをめぐる、二つの立場の対。 本質主義は、そのカテゴリーに属するものには生まれつきの共通した中身がある、と考える。ジェンダーでいえば、男性と女性には生物学的に異なる本質があり、そこ […]
01.ジェンダー
ジェンダー研究(gender studies)
性別が社会のなかでどのように作られ、どのように権力と結びついているかを扱う学問領域。特定の学問分野ではなく、社会学、歴史学、文学、法学、医学などを横断する視点として成立している。 前身は1970年代の女性学である。それま […]
01.ジェンダー
アンコンシャスバイアス(unconscious bias)
自覚されないまま判断に入り込む思い込み。無意識の偏見、無意識の思い込みとも訳される。性別に限らず、年齢、学歴、外見、話し方など、あらゆる属性について働く。 人は膨大な情報を毎回吟味することができないので、経験から作られた […]
15.宗教と信仰
宗教右派
宗教的保守の立場から、性・家族・教育をめぐる政策に組織的に介入する政治勢力の総称。1979年に米国で結成されたモラル・マジョリティがその原型とされ、中絶や同性婚への反対を軸に、票と資金を動員する回路をつくった。 日本では […]
16.情報・メディア・消費社会
田嶋陽子(たじま ようこ, 1941- )
英文学者、女性学研究者。岡山県生まれ、静岡県沼津市育ち。津田塾大学大学院を経て、法政大学教授を務めた。1990年代には参議院議員も務めている。 日本のフェミニズムを、大学や運動体の外——テレビの茶の間——に持ち込んだ人物 […]
13.学術と科学
上野千鶴子(うえの ちづこ, 1948- )
社会学者。富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在は東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門は女性学、ジェンダー研究、家族社会学。 『家 […]
06. 法律と制度
同性婚
法律上の性別が同じ二人が、法律上の婚姻をすること。日本の民法および戸籍法は同性間の婚姻を想定した規定を置いておらず、同性カップルは婚姻届を受理されない。 しばしば混同されるが、自治体のパートナーシップ宣誓制度は婚姻とは別 […]