03.クィアと交差性
ジュディス・バトラー(Judith Butler, 1956- )
哲学者。アメリカ・クリーヴランド生まれ。カリフォルニア大学バークレー校大学院特別教授。専門は哲学、ジェンダー/クィア理論、批評理論。 『ジェンダー・トラブル』(1990年)で示したのが、パフォーマティビティという考え方で […]
18.社会運動
第四波フェミニズム(fourth-wave feminism)
2010年代以降、ソーシャルメディアを主な場として広がった潮流。個人の被害の語りが、ハッシュタグを介して短時間で膨大に集まり、それ自体が構造の証拠になる——この経路が、それまでの運動にはなかった。 象徴は #MeToo […]
18.社会運動
第一波フェミニズム(first-wave feminism)
19世紀後半から20世紀初頭にかけての、女性の法的権利を求める運動。市民革命が「人間の権利」を掲げながら、その「人間」から女性を除外していたことへの異議申し立てとして始まった。中心課題は参政権、財産権、教育と職業へのアク […]
18.社会運動
リベラル・フェミニズム(liberal feminism)
個人の自由と機会の平等という近代自由主義の原理を、女性にも一貫して適用するよう求める立場。18世紀末のメアリ・ウルストンクラフトや19世紀のJ・S・ミルにさかのぼる系譜を持ち、教育、参政権、雇用、法の下の平等といった制度 […]
18.社会運動
第二波フェミニズム(second-wave feminism)
1960年代後半から1980年代にかけて欧米・日本で展開したフェミニズムの潮流。参政権や法的権利の獲得を中心とした第一波に対し、第二波は法制度の外側——家庭、性、身体、労働の分担——を政治の問題として問い直した。「個人的 […]
07. 労働
ベーシックサービス(basic services)
医療、教育、介護、住宅、公共交通といった生活の基盤となるサービスを、所得にかかわらず全員に現物で保障しようとする構想。日本では財政学者の井手英策が提唱している。 現金を配るベーシックインカムに対し、こちらはサービスそのも […]
09.福祉と政策
コモン/コモンズ(common / commons)
共同で所有し、共同で管理される資源とその仕組み。国家所有でも私的所有でもない、第三の領域を指す。 長らく、共有資源は必ず過剰利用されて崩壊すると考えられてきた。ギャレット・ハーディンが1968年に提示した「共有地の悲劇」 […]
23.ケアの倫理
岡野八代(おかの やよ, 1967- )
政治学者。日本におけるケアの倫理研究の第一人者。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想史とフェミニズム理論。 三重県松阪市に生まれ、早稲田大学大学院を経てカナダに留学。留学先で、政治思想の […]
23.ケアの倫理
キャロル・ギリガン(Carol Gilligan, 1936- )
アメリカの心理学者。ケアの倫理の出発点をつくった人物として知られる。現在はニューヨーク大学ユニバーシティ・プロフェッサー。 ハーバード大学でローレンス・コールバーグの共同研究者として道徳性発達の研究に携わったが、やがてそ […]
02.身体と病
人工妊娠中絶
妊娠を人為的に終わらせること。日本の法制度は、他国と比べて独特のかたちをとっている。 刑法には堕胎罪が置かれており、1907年の制定以来、削除されていない。中絶は原則として犯罪である。そのうえで、母体保護法が例外を定め、 […]
03.クィアと交差性
クィア・スタディーズ(queer studies)
性のあり方を、正常と異常に分ける枠組みそのものを問う学問領域。1990年前後に、主に英語圏で成立した。 「クィア」はもともと「奇妙な」を意味し、同性愛者への蔑称として使われてきた語である。それを当事者が引き受け、名乗り返 […]
01.ジェンダー
性的モノ化(sexual objectification)
人を、意思や感情を持つ主体としてではなく、性的な用途を持つモノとして扱うこと。広告や作品のなかでの描かれ方から、日常の視線や言葉まで、現れ方は幅広い。 哲学者マーサ・ヌスバウムは、この「モノ扱い」をひとつの塊として論じる […]
10.国家・政治・戦争
アナーカ・フェミニズム(anarcha-feminism)
国家権力とあらゆる支配構造への異議申し立てであるアナーキズムと、家父長制批判を軸とするフェミニズムを結びつけた思想であり運動である。19世紀末、カタルーニャの活動家テレサ・マニェやテレサ・クラムントらの実践に端を発し、2 […]
12.教育とスポーツ
包括的性教育(comprehensive sexuality education)
性を、身体の仕組みや避妊の知識に限らず、人間関係、人権、ジェンダー、暴力からの安全、意思決定といった広がりのなかで学ぶ教育。ユネスコなどがまとめた『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』が国際的な指針となっている。 このガ […]
19.男性学
ヘゲモニックな男性性(hegemonic masculinity)
社会のなかで最も価値が高いとされ、他の男性のあり方や女性を従える位置に置かれた男性像。社会学者レイウィン・コンネルが1980年代に提示した概念である。 「ヘゲモニー」はグラムシに由来する語で、暴力による支配ではなく、同意 […]
11.暴力と犯罪
DV(ドメスティック・バイオレンス)
配偶者や恋人など、親密な関係にある者から受ける暴力。身体的なものに限らない。 暴力の形は複数ある。殴る蹴るといった身体的暴力、罵倒や無視や監視による精神的暴力、生活費を渡さない・働くことを禁じる・借金を負わせるといった経 […]
06. 法律と制度
アファーマティブ・アクション(affirmative action)
差別によって不利な位置に置かれてきた集団に対し、進学や採用、昇進などの機会を積極的に確保する措置。日本の法令では「積極的改善措置」、政策の場では「ポジティブ・アクション」と呼ばれることが多い。 考え方の前提はこうである。 […]
04. 家族・親密圏
トラッドワイフ(tradwife)
伝統的な妻(traditional wife)の略。家事と育児に専念する生き方を選び、その暮らしをSNSで発信する女性たち、およびその現象を指す。2010年代後半から英語圏で広がり、TikTokやInstagramを中心 […]
18.社会運動
ポストフェミニズム
1990年代以降のメディア文化に広がった感性を指す。フェミニズムはすでに役目を終えたという前提のうえで、その語彙——選択、自立、エンパワーメント——だけが受け継がれ、消費と自己管理の言葉として使われていく状態である。 批 […]
03.クィアと交差性
レズビアン連続体(lesbian continuum)
詩人アドリエンヌ・リッチが1980年の論文「強制的異性愛とレズビアン存在」で提示した概念。女性が女性に向ける結びつきを、性的な関係の有無で線引きせず、ひと続きの幅として捉える見方である。 リッチの出発点は、異性愛が自然な […]