07. 労働
ベーシックサービス(basic services)
医療、教育、介護、住宅、公共交通といった生活の基盤となるサービスを、所得にかかわらず全員に現物で保障しようとする構想。日本では財政学者の井手英策が提唱している。 現金を配るベーシックインカムに対し、こちらはサービスそのも […]
09.福祉と政策
コモン/コモンズ(common / commons)
共同で所有し、共同で管理される資源とその仕組み。国家所有でも私的所有でもない、第三の領域を指す。 長らく、共有資源は必ず過剰利用されて崩壊すると考えられてきた。ギャレット・ハーディンが1968年に提示した「共有地の悲劇」 […]
23.ケアの倫理
岡野八代(おかの やよ, 1967- )
政治学者。日本におけるケアの倫理研究の第一人者。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想史とフェミニズム理論。 三重県松阪市に生まれ、早稲田大学大学院を経てカナダに留学。留学先で、政治思想の […]
23.ケアの倫理
キャロル・ギリガン(Carol Gilligan, 1936- )
アメリカの心理学者。ケアの倫理の出発点をつくった人物として知られる。現在はニューヨーク大学ユニバーシティ・プロフェッサー。 ハーバード大学でローレンス・コールバーグの共同研究者として道徳性発達の研究に携わったが、やがてそ […]
02.身体と病
人工妊娠中絶
妊娠を人為的に終わらせること。日本の法制度は、他国と比べて独特のかたちをとっている。 刑法には堕胎罪が置かれており、1907年の制定以来、削除されていない。中絶は原則として犯罪である。そのうえで、母体保護法が例外を定め、 […]
03.クィアと交差性
クィア・スタディーズ(queer studies)
性のあり方を、正常と異常に分ける枠組みそのものを問う学問領域。1990年前後に、主に英語圏で成立した。 「クィア」はもともと「奇妙な」を意味し、同性愛者への蔑称として使われてきた語である。それを当事者が引き受け、名乗り返 […]
01.ジェンダー
性的モノ化(sexual objectification)
人を、意思や感情を持つ主体としてではなく、性的な用途を持つモノとして扱うこと。広告や作品のなかでの描かれ方から、日常の視線や言葉まで、現れ方は幅広い。 哲学者マーサ・ヌスバウムは、この「モノ扱い」をひとつの塊として論じる […]
10.国家・政治・戦争
アナーカ・フェミニズム(anarcha-feminism)
国家権力とあらゆる支配構造への異議申し立てであるアナーキズムと、家父長制批判を軸とするフェミニズムを結びつけた思想であり運動である。19世紀末、カタルーニャの活動家テレサ・マニェやテレサ・クラムントらの実践に端を発し、2 […]
12.教育とスポーツ
包括的性教育(comprehensive sexuality education)
性を、身体の仕組みや避妊の知識に限らず、人間関係、人権、ジェンダー、暴力からの安全、意思決定といった広がりのなかで学ぶ教育。ユネスコなどがまとめた『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』が国際的な指針となっている。 このガ […]
19.男性学
ヘゲモニックな男性性(hegemonic masculinity)
社会のなかで最も価値が高いとされ、他の男性のあり方や女性を従える位置に置かれた男性像。社会学者レイウィン・コンネルが1980年代に提示した概念である。 「ヘゲモニー」はグラムシに由来する語で、暴力による支配ではなく、同意 […]
11.暴力と犯罪
DV(ドメスティック・バイオレンス)
配偶者や恋人など、親密な関係にある者から受ける暴力。身体的なものに限らない。 暴力の形は複数ある。殴る蹴るといった身体的暴力、罵倒や無視や監視による精神的暴力、生活費を渡さない・働くことを禁じる・借金を負わせるといった経 […]
06. 法律と制度
アファーマティブ・アクション(affirmative action)
差別によって不利な位置に置かれてきた集団に対し、進学や採用、昇進などの機会を積極的に確保する措置。日本の法令では「積極的改善措置」、政策の場では「ポジティブ・アクション」と呼ばれることが多い。 考え方の前提はこうである。 […]
04. 家族・親密圏
トラッドワイフ(tradwife)
伝統的な妻(traditional wife)の略。家事と育児に専念する生き方を選び、その暮らしをSNSで発信する女性たち、およびその現象を指す。2010年代後半から英語圏で広がり、TikTokやInstagramを中心 […]
18.社会運動
ポストフェミニズム
1990年代以降のメディア文化に広がった感性を指す。フェミニズムはすでに役目を終えたという前提のうえで、その語彙——選択、自立、エンパワーメント——だけが受け継がれ、消費と自己管理の言葉として使われていく状態である。 批 […]
03.クィアと交差性
レズビアン連続体(lesbian continuum)
詩人アドリエンヌ・リッチが1980年の論文「強制的異性愛とレズビアン存在」で提示した概念。女性が女性に向ける結びつきを、性的な関係の有無で線引きせず、ひと続きの幅として捉える見方である。 リッチの出発点は、異性愛が自然な […]
18.社会運動
サフラジェット
20世紀初頭のイギリスで、女性参政権を求めて戦闘的な手法をとった運動家たち。とくに1903年にエメリン・パンクハーストが設立した女性社会政治同盟(WSPU)の一派を指す。 もともとは『デイリー・メール』紙が運動を揶揄する […]
20.環境とジェンダー
エコフェミニズム(ecofeminism)
女性への抑圧と自然の搾取を、同じ構造から生まれたものとして捉える立場。1974年にフランスのフランソワーズ・ドボンヌが用いた造語とされる。 基本にある見立てはこうである。近代西洋の思考は、精神と身体、文化と自然、男性と女 […]
01.ジェンダー
ジェンダー主流化
ジェンダー平等を専門部署の担当業務にとどめず、あらゆる政策の立案・実施・評価に組み込んでいくという方針。 打ち出されたのは1995年、北京で開かれた第4回世界女性会議である。それ以前の取り組みは、女性向けの施策を別立てで […]
07. 労働
セックスワーク(sex work)
※この項目は動いている最中の話題を含む。報告書は2026年9月にまとまる見通しで、秋の臨時国会に改正案が出る可能性がある。数か月後に見直しが必要。性的なサービスの提供を労働として捉える語。1978年にアメリカの活動家キャ […]
17.ポップカルチャー
メイル・ゲイズ(male gaze)
視覚メディアが、異性愛男性の視点を標準として組み立てられていること。1975年に映画批評家ローラ・マルヴィが論文で提示した。 マルヴィは、映画における見る/見られる関係が三重になっていると指摘した。撮影するカメラの視線、 […]